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国際犯罪学会第16回世界大会 報告書

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国際犯罪学会第16回世界大会実施報告

国際犯罪学会第16回世界大会を無事終了いたしましたので、ここに概要をご報告いたします。

国際犯罪学会第16回世界大会実行委員長  宮澤節生

1.実施内容及び成果

@日  程:平成23年8月5日(金)〜平成23年8月9日(火) 5日間
A会  場:神戸国際会議場及び神戸学院大学ポートアイランドキャンパス
B参加人数:総数1,467名、うち国外参加者317名。42の国・地域を含む。
Cテ ー マ  「グローバルな社会・経済的危機と犯罪統制政策−地域・国家間の比較−」
グローバルな経済危機が社会と国家の構造に大きな変化をもたらし、犯罪状況にも大きな影響を与えていると考えられるので、犯罪と犯罪予防戦略の状況につき、地域・国家間の比較検討を行うことを全体テーマとした。
D会議の経過及び成果: 参加者数は、フィラデルフィアの第14回大会をも超えて、近年で最多となった。シンポジウム・部会数164、ポスター92、学術ツアー6という内容も、おそらく最も多様性に富むものとなった。また、全体テーマを反映した4つの全体会にオーストラリア、イギリス、韓国、メキシコ、米国、ベルギー、中国、スペイン、台湾などの代表的研究者を招聘しただけではなく、他のシンポジウム・部会にも多数の著名研究者が招聘され、質的にも、きわめて高水準のものとなった。

2.主要企画部会の内容

@全体会(実行委員会企画)(スポンサー:財団法人 セコム科学技術振興財団)
8月6日:全体会1「グローバルな経済危機と犯罪学」
8月7日:全体会2「臨床犯罪学のフロンティア」
8月8日:全体会3「企業犯罪・ビジネス犯罪」
8月9日:全体会4「国家モデルと犯罪予防戦略」

A国際犯罪学会本部企画
8月9日:アキナス・ラウンドテーブル「危機の世界における責任ある市民」

B日本犯罪関連学会連合会企画
8月7日:「刑事裁判への市民参加−国際比較における裁判員制度と被害者参加−」
8月7日:「災害と犯罪(1):阪神淡路大震災(1995年)後の犯罪と防犯活動」
8月9日:「災害と犯罪(2):東日本大震災、津波および人災としての原発事故」

C警察政策学会企画
8月6日:「多機関連携による少年非行の防止と日本の秩序」(スポンサー:財団法人 社会安全研究財団)
8月7日:「犯罪抑止政策の総合的展開−日本の教訓」(スポンサー:財団法人 社会安全研究財団)

D日本犯罪心理学会企画部会(日本犯罪心理学会第49回大会)
8月6日:「司法における犯罪者・被害者等に対する面接」
8月6日:「知的障害のある犯罪者の支援−家族、地域、社会の連携から」
8月6日:「修復的アプローチによる犯罪・非行への実践的対応」
8月7日:「非行・犯罪の発達過程」
8月7日:「性犯罪・性非行の処遇と査定」
8月7日:「犯罪者プロファイリングの現状と課題」(スポンサー:財団法人 社会安全研究財団)

E日本犯罪学会企画
8月6日:「犯罪捜査および裁判の判決における法科学の役割」
8月7日:「犯罪精神医学の現状と課題」

F日本社会病理学会企画
8月5日:「学校の開放性と安全に関する考察−学校内の子どもの安全に着目して」
8月5日:「監視とコミュニティの再編成」
8月6日:「犯罪と非行の説明の様々な試み」

G日本犯罪社会学会企画
8月5日:「現代日本の犯罪発生率の低さを理解する」(スポンサー:財団法人 社会安全研究財団)
8月8日:「クローバルな危機における経済犯罪」
8月8日:「東アジアと合衆国における死刑」(スポンサー:龍谷大学矯正・保護総合センター)
8月8日:「判決前調査制度の国際比較−合理的量刑のための制度的方策として」

H日本被害者学会企画
8月7日:「被害者学と被害者支援の過去、現在、未来」(スポンサー:財団法人 升本学術育英会)

I日本司法福祉学会企画
8月8日:「日本における司法と社会福祉の協働−少年犯罪を中心に−」

J少年非行防止政策日韓学術交流会企画
8月9日:「非行のある少年に対する社会内処遇(保護観察)の日韓比較について」(スポンサー:財団法人 社会安全研究財団)

K大阪商業大学アミューズメント産業研究所・依存学推進協議会企画
8月6日:「ギャンブルと犯罪そして社会的コスト−カジノ合法化にまつわる問題点−」(スポンサー:大阪商業大学)

L日本弁護士連合会企画
8月7日:「可視化と『あるべき取調べ』−可視化はどのような変化をもたらすのか」(スポンサー:JST社会技術研究開発センター「犯罪からの子どもの安全」北海道大学大学院文学研究科「犯罪から子どもを守る司法面接の開発と訓練」プロジェクト・近畿弁護士会連合会・大阪弁護士会・兵庫県弁護士会)

M日本更生保護協会・全国保護司連盟企画
8月7日:「日本の社会内処遇における多機関連携によるアプローチ」(後援:日本犯罪心理学会)(スポンサー:日本更生保護協会・全国保護司連盟)
8月8日:「保護司の参加による犯罪者の立ち直り支援と犯罪予防活動」(スポンサー:日本更生保護協会・全国保護司連盟)

N神戸芸術工科大学企画(共催:大阪商業大学)
8月9日:「環境デザインとエリア・マネジメントによる守りやすい住空間とは」(スポンサー:神戸芸術工科大学・大阪商業大学)

O神戸学院大学企画
8月7日:「発達に課題をかかえた子どもと司法・・・社会的理解と支援」(スポンサー:神戸学院大学)

P甲南大学企画
8月7日:「危機を挑戦に変える企業戦略とコンプライアンス・CSR−甲南学園の英知と実践」(スポンサー:甲南大学)

Q大阪商業大学大学院地域政策研究科「犯罪学」特別教育研究コース企画
8月8日:「犯罪学・刑事司法の総合的教育体制」(スポンサー:大阪商業大学)

R独立行政法人 科学技術振興機構社会技術研究開発センター「犯罪からの子どもの安全」研究開発領域企画
8月8日:「科学的根拠に基づく子どもの被害防止−研究から実践へ」(スポンサー:独立行政法人 科学技術振興機構社会技術研究開発センター「犯罪からの子どもの安全」研究開発領域)

SSSJ株式会社企画(共催:法務省)
8月7日:「民間のノウハウを活用した刑務所運営について」(スポンサー:SSJ株式会社)

3.今後予想される成果

@関係学会・団体等に対する成果: (a)本大会成功の大きな鍵は、国内の犯罪関連学会のうち7学会が団結して日本犯罪関連学会連合会を組織し、本大会に共同で取り組んだことである。本大会は、今後の共同事業と、各学会の活動の国際化に向けた、大きな基盤を提供したと言える。(b)本大会のもうひとつの特徴は、警察、検察、弁護、矯正・保護などの関係官庁・団体はもちろん、民間警備業・PFI刑務所・ゲーム産業などの関係業界・企業をも含む、多数の組織の関係者がシンポジウム・部会を企画したことである。本大会は、これらの組織の活動の国際化にとっても、重要な契機となるであろう。

A地域(神戸市・兵庫県・日本)に対する効果: 本大会への報告申込・参加登録は、2011年2月末時点ではきわめて好調であったが、言うまでもなく3月11日の大震災と、それに続く福島第一原発の事故は、多数の外国人報告者・参加者に強い危惧の念を与えた。そのため実行委員会では、神戸市のご協力も得て、神戸市・兵庫県のみならず、日本の大部分がきわめて安全であることの広報に努めた。その結果、当初より減少したとはいえ300人以上の外国人参加者が確保され、神戸市・兵庫県と、日本の大部分の地域の安全性について、国際的に発信する効果をあげたと考えられる。

Bその他特筆事項: 上記@の内容は、それ自体本大会の特筆すべき特徴であるが、そのほか、本大会が社会に開かれたものであったことを特筆したい。すなわち、一般公開シンポジウムが18も開催され、多数の一般市民が無料で第一線研究者・実務家の報告を聞く機会を得ただけではなく、多くのシンポジウムにおいて活発に発言していた。なかでも、「災害と犯罪」というタイトルで開催された2つの一般公開シンポジウムは、1995年の阪神淡路大震災と、2011年3月の東日本大震災及び原発事故をテーマとしており、メディアからも多大の関心を集めた。

4.授賞

 

8月9日の閉会式において、国際犯罪学会の最高賞であるカール・マンハイム賞がピーター・グラボスキー教授(オーストラリア国立大学)に授与されたほか、国際犯罪学会会長賞が宮澤節生実行委員長と谷岡一郎事務局長に授与された。

5.本大会において作成した印刷物等

The Preliminary Program(仮プログラム)
The Book of Abstracts(要旨集)(スポンサー:セコム科学技術振興財団)

6.本大会に対する国外からのメッセージ

本大会に関して、国際犯罪学会会長トニー・ペータース教授(ルーヴェン・カトリック大学)、同事務局長ステファン・パルマンティエ教授(同)、同学術委員長サージ・ブロシュー教授(モントリオール大学)からの共同メッセージが寄せられたほか、ピーター・グラボスキー教授(オーストラリア国立大学)とウェスレイ・G・スコーガン教授(ノースウェスタン大学)から個別にメッセージが寄せられている。

ペータース教授・パルマンティエ教授・ブロシュー教授からのメッセージ [→PDF:76KB]
グラボスキー教授からのメッセージ [→PDF:101KB]
スコーガン教授からのメッセージ [→PDF:89KB]

 



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